水虫と体部白癬(たいぶはくせん)
体部白癬(たいぶはくせん)とは、カビの一種である白癬菌が身体に感染し、皮膚の炎症やかゆみなどをもたらす病気。
患者数は、全国で約300万人いるとされています。
症状としては、皮膚には赤い発疹ができて大きく広がります。
ステロイド入りのかゆみ止めを使うと免疫力を弱めてしまうため、白癬菌が増殖し症状が悪化します。
体部白癬の原因は、足の水虫。
水虫は、白癬菌が足や爪に感染して起こる病のこと。
水虫と体部白癬は、菌も感染の仕組みも同じなのです。
日本の水虫患者数は、約2,500万人。
5人に1人は水虫と言われています。
水虫患者のうち、かゆみなどの自覚症状があるのは、わずか約10パーセント。
90パーセント以上の人は、かゆみを自覚していません。
水虫の種類
水虫には、様々な種類があります。
主なものは、以下の二つが挙げられます。
■角質増殖型水虫
足の裏が乾燥して白くなる。
■爪白癬
爪が白く厚くなりボロボロになる。
角質増殖型水虫と爪白癬は、かゆみを全く感じません。
感染しているのに放置している人は、数多く存在しています。
そのため、感染したまま家の中を歩き回ると、白癬菌を家中にばら撒いてしまいます。
白癬菌の含まれた垢は、ケラチンなどの栄養分が含まれているため、数ヶ月以上も菌は生き続けます。
その結果、家族も水虫に感染してしまうのです。
ただし、白癬菌は通常24時間以内に除去すれば、皮膚に感染することはありません。
毎日お風呂に入るようにすれば、菌を洗い流すことができます。
白癬菌
水虫の原因の白癬菌は、カビの一種。
カビは湿度の高い所を好みます。
人間の身体の中で、湿度が高いところは足。
そのため、靴の履き方で水虫に感染するかどうかが異なってきます。
サンダルなどの通気性の良い靴を履く機会の多い場合は、足が乾燥するため水虫になりにくい傾向にあります。
革靴などは密閉性が高いため、夏に革靴を1時間履くだけで、靴の中の湿度は95パーセントにもなってしまいます。
水虫を予防するには、できるだけ足を乾燥させるように心がけましょう。
家族への感染
水虫患者が最も気をつけなくてはならないことは、家族への感染。
放っておくと白癬菌は家中にばら撒かれて、家族全員が水虫を患う可能性があります。
白癬菌は家の中の床に広がっています。
床を拭いても、全てを取り除くことは難しいため、早めに水虫を予防・対処することが大切。
水虫の対処法
■足の洗い方
足の指の間をゴシゴシ洗うと、皮膚が傷付いてしまいます。
白癬菌は通常、湿度が高くて24時間以上付着しないと感染しません。
しかし、皮膚が傷付いていると、約12時間で感染してしまいます。
お風呂で足を洗う時は、石鹸をつけた手で優しく洗うようにしましょう。
たったこれだけで、白癬菌は落ちて、皮膚も傷つけません。
実際の研究では、足をよく洗う人の方が水虫になりやすい、という結果も出ています。
■洗濯
水虫に感染した家族の靴下と一緒に衣類を洗濯すると、水虫はうつるでしょうか?
結果としては、全く問題ありません。
白癬菌は洗濯で、ほぼ洗い流すことが可能です。
洗い流された白癬菌が、再び衣類に付着することはほとんどありません。
また、床に落ちた白癬菌は、掃除機や濡れタオルで拭くことにより、取り除くことができます。
白癬菌を除去するには、こまめな洗濯や掃除が効果的。
■家の中で靴下は履かない
家の中で靴下やストッキングを履いても、水虫は予防できません。
白癬菌は繊維よりも小さいので、隙間から入って直接足に付着します。
家の中で靴下を履いて足を蒸らすよりも、素足で過ごした方が足は乾燥するので、白癬菌は落ちやすくなります。
水分や汗をしっかり拭き取って乾燥させることも大切。
■治療薬の塗り方
一ヶ所でも水虫がある人の場合、白癬菌はより広範囲に広がっている可能性があります。
そのため、治療薬は足の裏全体に塗る必要があります。
また、症状が治まったと思っても、実際には白癬菌は生き残っています。
症状がなくなっても、最低1ヶ月は治療薬を塗り続けるようにしましょう。
水虫はきちんと治療すれば、完治できる病。
治療が中途半端だと再発してしまいます。